[読書] ユーザビリティエンジニアリング―ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック

以前、著者が講師をされているセミナーに参加したことがあり、Web上でレビューを読んだことがきっかけで読んでみた。自分がユーザビリティのことを考えられるエンジニアになりたいと思ってることも、読んでみた理由の一つ。

ユーザビリティエンジニアリング―ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック
ユーザビリティエンジニアリング―ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック

目次

  • 第1章 ユーザビリティとユーザ中心設計
  • 第2章 ユーザ調査法
  • 第3章 プロトタイプ
  • 第4章 ユーザビリティ評価法
  • 第5章 ユーザテスト実践編

印象に残った箇所

  • 国際規格ISO 9421では、ユーザビリティを「特定のコンテキストにおいて、特定のユーザによって、ある製品が、特定の目標を達成するために用いられる際の、効果・効率・ユーザの満足度の度合い」と定義しています。
  • 実は、ユーザテストとは反証を目的としているのです。
  • ユーザテストのことを考えるのは、せめて”反証に値する”インタフェースが制作できるようになってからの話なのです。

感想

今の仕事に就いてから、自分たちが開発した製品に対するユーザテストを実施したり、その場に立ち会ったりするようになった。その時のテストの内容や体験と、本書に書いてある内容を照らしあわせてみると、いろいろなことが勉強できるのと同時に、自分のやり方にいくつか問題があったことに気付く。今回は、その中から2つだけ紹介してみようと思う。

まず、ユーザビリティを測る指標として「効果(タスクを達成できるかどうか)」「効率」「満足度」の3つの指標があることを学ぶことができた。ユーザテストの結果を分析することで、製品の問題点をたくさんリストアップするんだけど、今まではどの問題点も同列に扱ってしまっていた。けど、本当は問題点を

  • 「効果」に関する問題
  • 「効率」に関する問題
  • 「満足度」に関する問題

のように3つに分類することができるはず。問題の重要度としては「効果」>「効率」>「満足度」なので、このように分類してしまえば何から着手すれば一目瞭然。今までと比べると、どれが重要な問題なのかわかりやすくなったと思う。

次に、ユーザテストは『「このインタフェースはユーザブルである」という仮説を立てた製品に対して、「反証」するために行うもの』だということを学んだ。今までは「とりあえずリリースしてそれからユーザーテストを行えばいい」に近いノリでユーザテストのことを考えていたけど、それではユーザテストの意味が無い。プロトタイプを作って検証したり、ヒューリスティック評価を行ったりして、自分の中で納得いくインタフェースを作ることが先だということに気が付けた。

他にも、ユーザーテストの企画からリクルート、事前説明やテスト実施中の注意事項など、ユーザテストに自分で取り組む前にちゃんと読んでおけば良かったなと思う内容がたくさんあった。

ページ数的には200ページにも満たないさっくり読める分量なので、これからユーザテストに関わろうとしている人が、とりあえずスタート地点に立つために読む本としてオススメ。