[読書]「 iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか?」

iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか? iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか?

アスペクト 2010-04-26
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ITジャーナリストの林信行さんの著書「iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか?」を読みました。

iPhoneのApp Storeで電子書籍版を購入することもできます。
僕はiPhoneを使って一気に読みました。とても読みやすかったですよ!

以下、読んだ感想です。

iPhoneとツイッターは、なぜ日本から生まれなかったのか?

本書のタイトルは「iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか?」ですが、どっちかというと「iPhoneとツイッターは、なぜ日本から生まれなかったのか?」というタイトルにした方がしっくりくるかもしれません。

革新的な製品・サービスを作ることが出来ていない日本のメーカに対して、

  • スペックじゃなくて体験を売るべき
  • 既存の製品に苦し紛れに新機能を追加していくのではなく、顧客がニーズにマッチした「原型」を追求するべき

という考えを主張されていましたが、その点については素直に同意しました。

「緩さ」はサービスが決めるもの?

本書の中で、Twitterでフォローが時々勝手に外れてしまう問題について以下のように触れられていました。

たとえば、フォロー返しを強制されて、嫌々フォローした相手をこっそりアンフォローしたとき。それが相手にばれても、「いやあ、ツイッターはいい加減で困るよね」と言い訳できるじゃないか。

人間という、いい加減で柔らかい存在を扱うサービスは、それに合わせて緩くないといけない。

「Twitterの緩さのおかげで、他人との摩擦であるとか、面倒なコミュニケーションが起こらなくて済むからいいじゃん!他のサービスももっと緩くしようぜ」、という意味であると僕は解釈しましたが、どうしても納得できませんでした。

一言で「緩さ」といっても色々なものがあると思いますが、本書でいうところの「緩さ」って本当にサービスが用意するべきものなのでしょうか?

ITによって生み出されたサービスは、人間の能力をほんの少し向上させるためのもの、人間を少し進化させるためのものです。

だけど、本書でいうサービスの「緩さ」によって人間が「面倒な」コミュニケーションをしなくても済むようになったのなら、それは人間が退化してるってことになりませんか?
人間の「真摯さ」という大切な要素が無くなってしまうような気がしてなりません。

サービスに必要なのは「緩さ」よりも、「サービスの向こう側には不特定多数のユーザが実際に存在する」ということを、ユーザが意識しやすくなるような要素だと、僕は思います。

ユーザはサービスを介して、たくさんのユーザとコミュニケーションする(楽しいことも、面倒なことも)。

その結果、サービスは「緩く」なるかもしれないし、「キツく」なるかもしれないけれど、それはそのサービスを使うユーザ次第。

もちろん楽しいことをたくさん経験できた方がいいとは思いますが、面倒なことや失敗を経験しないと、いつまでたっても進化のための道具としてのサービスの使い方を覚えることができないんじゃないか、と思います。

一応文中に、

サービスに緩さを追加することは意味があると思うが、それ以上に大事なのは、大人も子どももソーシャルメディアに適応したリテラシーを身につけることだろう。

とフォローがありましたが、あまりにもサラっとしたフォローだったので、素直に自分が思ったことを書いてみました。

まとめ

全体的な感想ですが、読んでみて、最近ネット上でよく見られるようになった議論・テーマを色んなところから集めて一冊の本にしちゃった、というような印象を受けました。

今Webやモバイルの世界で起きていることを、広く浅く捉えるのにはいいのかもしれませんが、個人的にはもっと深く踏み込んだ議論を期待していたので、少し残念。

林信行さんの次回作に期待したいと思います!

  • merikonjatta

    どちらかというと、Twitterの場合は緩さを求めているユーザに対して緩さを含んだサービス(緩いコミュニケーションをすることへの言い訳のしやすさ)を提供したという点が重要なんじゃないでしょうか。
    一方真摯さや規律を求める人やコンテキストに対してはもちろん緩さを含まないサービスを提供するべきで、それはケースバイケースなのかなと思いました。

  • ご意見ありがとです。
    何をもって「緩い」とするかで色々と変わってきそうな気がするけど、ケースバイケースだっていうことには同意です。
    自分もTwitterの「緩さ」と言われる部分が好きでそれを求めているユーザの一人だけど、この本で書かれている「緩さ」が自分の考えていたものとは全然違ったので反応しちゃいました。