「WebRTCを使って復興支援アプリを作ろう〜WebRTCアイデアソン〜」に参加しました。

2014年5月30日に東京にて開催された、「WebRTCを使って復興支援アプリを作ろう〜WebRTCアイデアソン」というイベントに参加してきました。

参加理由は2つ。一つ目は「エンジニアとしてのスキルを何か社会の役に立てたかった」こと。最近(特に開発の)エネルギーを持て余し気味だったので、機会を探し求めていました。二つ目は「よく知らない人同士で構成されるチームの中で、うまくコミュニケーションできるようになりたかった」こと。こちら、最近の仕事での課題になります。

テーマ:WebRTC + タブレット + 浪江町の復興支援

今回のアイデアソンのテーマは以下とおり。

  • 放射能の影響で全国46都道府県に散らばって避難している 浪江町民のみなさん
  • 1世帯あたり一台の タブレット を配る計画があるから
  • WebRTC を使って
  • バラバラになってしまった 地域の絆を再生 したい。

僕も含めた約30名のアイデアソン参加者が、上記のテーマを実現するためのアプリアイデアを協力して考え、最終的に6つのアイデアとそれに取り組む6つのチームが生まれました。(「タブレットありき」のテーマ設定には少し思うところがあるのですが、それはまた後日記事にします。)

今回生まれた6つのアイデアは、次週開催される「WebRTCを使って復興支援アプリを作ろう〜WebRTC ハッカソン〜」で実際に実装されることになります。

型としてしっかり定義されたアイデアソン

今回のアイデアソンで印象に残ったのは、アイデアが生み出されるまでの過程が、型としてしっかり定義されていたことでした。

アイデアソンやハッカソンでは、アイデアがなかなかまとまらずチームが空中分解したり、声の大きな人のアイデアが優先されて納得行かないまま作業したり、といった現象が少なからず発生するように思います。今回のアイデアソンでは、そのような悲しいことが起きないよう、アイデアが生み出されるまでのフローを明確に定義し、その上でファシリテーションや時間管理もしっかりと行われていました。

どんなフローだったか、思い出せる範囲で簡単に紹介してみます。

1. ルールの宣言

最初の方でアイデアソンのルールを宣言し、参加者の頭のなかに植えつけます。ルールはカンタンで「この場で生まれたアイデアはみんなもの」というもの。アイデアは公共財、アイデアに著作権はない、という考え方。もし「他の人に使われると困る」というアイデアがあれば「それは言わないほうが良いよ」という説明がされていました。

2. インプット

アイデアの種となる情報のインプットを行います。今回のアイデアソンで言うと、浪江町の過去と現在の状況、タブレット配布の背景、今回使用するWebRTCの技術的概要が具体的なインプット内容になります。

3. 整理

個人ワーク。個人がインプットした内容を紙とペンをつかって整理する時間です。マンダラートを使ったりマインドマップを使ったりと、やり方は自由。個人の頭のなかでインプットした情報を咀嚼します。

4. スピードストーミング

5分間のペアブレストを計5本を行いアイデアを発展させます。参加者全員が起立して、フォークダンスを踊るときのように2重の円を作り、内側の円の人と外側の円の人でペアを組みます。4分間互いのアイデアについて議論したあと、最後の1分でメモを取ります。メモが撮れたら、外側の円の人だけがひとつ隣にずれて、新しい内側の人とペアを組みます。ペアブレストの本数が増えるに従って、アイデアの掛け算が起きるようになり、新しいアイデアが生まれたり、もともとあったアイデアがどんどんブラッシュアップされていきます。

5. アイデアスケッチ

個人ワーク。席に戻って、アイデアスケッチを書きます。アイデアスケッチは、アイデアのタイトルとそれを説明する3つの箇条書きで構成されるシンプルなもの。他の人が言ってたアイデアも書いちゃってOK。一人あたり最低でも3つのアイデアを書いてください、とファシリテーションされていました。

6. 投票

書けたアイデアスケッチを机の見やすい場所に全部並べたら投票開始。参加者全員が会場を歩きまわって、「可能性がある」「面白い」と思ったアイデアスケッチに星印を書いていきます。同じアイデアスケッチに一人が複数の星を書くのはだめだけど、そうじゃなければ星は何回書いてもOK、というルールでした。

7. アイデア決定

書かれた星印が多い順に4つのアイデアが今回取り組むアイデアとして選ばれます。また、情熱枠として「星印の数は少ないけれど、これはぜひやりたい」というアイデアが自薦他薦問わず2つほど募集されます。選ばれたアイデアスケッチを書いた人がみんなの前で、アイデアの概要について説明します。

8. チームビルディング

参加者は選ばれたアイデアの中から、自分が取り組んでみたいものを一つ選びます。この時、選ばれなかった自分のアイデアを、選ばれたアイデアを考えた人に託すこともできます。また、選ばれたアイデアを考えた人も、他の人が考えたアイデアに取り組みたい場合は、アイデアを放棄してもOK、みたいな説明がされていました。

9. アイデアブラッシュアップ

グループワーク。ユーザの体験を軸にアイデアに肉付けをしていきます。ターゲットユーザや、アイデアとしての強みを明らかにしたり、後のハッカソンに備えて画面構成や必要なツール・技術などをリストアップするところまでやります。

まとめ

上記の作業を大体5時間くらいかけて実施します。これだけ型としてできあがっていると、「型にはまったアイデアしか出てこないんじゃないの?」と危惧する方もいらっしゃいそうですが、不思議とそんな感じはなかったです。そうならないように、自薦他薦ありの「情熱枠」というものが用意されているのかもしれません。

集団で何かアイデアを考えようとするときって、人が増えれば増えるほど、どんどんグダグダになっていくようなイメージがあったのですが、その意識を変えてくれる、とても良く考えられた仕組みでした。みんなが納得したアイデアが選ばれやすい仕組みだと思うので、この後のハッカソンで生まれるプロダクトも、素晴らしいものが出来上がりそうな予感がします。

すごく勉強になりました。仕事に活かします。活かせるかな?活かしましょう。

それでは以上です。ありがとうございました。