スクラムガイドを久しぶりに改めて読んでみた – 価値基準と透明性について

スクラムからしばらく離れてたのですが、最近再びとあるスクラム開発チームの一人のエンジニアとなりました。そんな中、復習の意味でもう一度スクラムガイドを読んでみました。

読んでみて、再発見したことや感じたことをメモメモ。

スクラムの価値基準

2016年にスクラムガイドは改訂されており、そのタイミングで「スクラムの価値基準」というセクションが追加されています。追加部分は今回初めて読みました。

価値基準とはすなわち「何をもってチームの活動を評価するか」ということ。

評価するというと語弊があるかもしれないですが、チームや個人の活動の価値を測る「ものさし」を持つことは、全員が同じ方向を向いて進んでいくために重要なこと。そのものさしのこそが価値基準である、と自分は理解しています。

スクラムガイドによって定義されている価値基準は以下の5つ。(抜粋しつつ意訳)

  • 確約:ゴールの達成を確約できているか
  • 勇気:困難な問題にも勇気をもって取り組めているか
  • 集中:スプリントの作業とチームの目標達成のために集中できているか
  • 公開:チームのタスクや課題、進捗状況などを公開(透明化)できているかどうか
  • 尊敬:お互いを能力を持った個人として尊敬しあっているか

どれも、完璧に実践することは難しい印象。今までに所属していた開発チームでの経験を振り返ってみると、どの基準に関しても満点には程遠かったなっと。まあ、だからこそ、改善の余地があるということで、チームがよりよい方向に進んでいけるわけなのですが。

このような基準が明文化され、さらに全員の共通認識になっていることが理想だと思います。ものさしがあるかないかで、課題の抽出や改善に関する議論のシャープさに大きな違いが生まれます。

開発チームを新しく立ち上げるときなど、チームのあるべき姿やゴールを決めるシーンでも、何らかの基準があったほうが議論がスムーズに行くはずです。

価値基準は他にも、リーン開発の「7つのムダ」やTeam Geakの「HRT(謙虚・尊敬・信頼)」などがあり、用途や状況に応じて合わせて使ってみるとよいかもしれません。

参考:
* ソフトウェア開発におけるムダとは何か – 読書 – リーン開発の本質 | CreativeStyle
* 謙虚と尊敬と信頼 – 読書 – Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか | CreativeStyle

透明性

透明性のセクションを読んでみて、今まで「透明性」という言葉について少し勘違いしていたことに気づきました。

「透明性の高い状態=情報をオープン(透明)にした状態」ではありません。今まで、チームが検査、適応のプロセスを回すために必要な情報はオープンにしましょうね、くらいの認識でいました。

でも、それだと手段が目的化していて、その先に何を目指すのか明確ではないですね。

透明性が高い状態とは、プロダクト開発に関わるありとあらゆることに対し、チームメンバー全員で共通認識を認識を持つことができている状態。さらに、それをもって複雑性の高い環境下における迅速な課題抽出や意思決定などに活かすことができている状態のことを指すんだと思います。

  • プロダクトのKPI達成状況
  • 中長期的な計画のスケジュールと実際の進捗
  • スプリントの作業の進捗状況
  • 技術的負債の蓄積状況
  • どうすればタスクが「完了」したと言えるのか(DONEの定義)
  • 現状の開発プロセスでボトルネックとなっている課題は何で、それに対してチームはどのように取り組んでいるのか

などなど、透明性の対象になり得る情報はたくさんあります。これらを必要なメンバーに正しくオープンにする事自体も、簡単なことだとは言えませんが、それだけではだめ。情報の種類によって、オープンにするに、共通認識にするにも、たくさんの方法論がありそうです。

自分が経験したことについてはそのための方法論を出せますが、経験してないことについてはどう対処すればいいんでしょうか。メンバー全員で経験を持ち合う?「組織パターン」みたいな本を読んで、引き出しを増やす?

こういう引き出しは、スクラムマスターだけじゃなく、個々のエンジニアがどんどん持つべきだと思います。最終的にはスクラムマスターがいらないチームになるのが理想。自分はそういう引き出しをたくさん持ち、かつ、他のメンバーの引き出しを増やすこともできる、そんなエンジニアなりたいです。(もちろん技術面はおざなりにならないように)

おわりに

久々に読みましたが、定期的に読み直すとよさげです。一回読むのに10分もかかりませんし。

あとスクラムをこれから始めよう or 始めたばかりのチームで、まだスクラムガイドをチーム全員で読んでいない場合は、ぜひ一度全員で読無べきだと思います。読んだあとお互いに感想や考えをぶつけ合いながら、チームのあるべき姿について議論すると、良いチームを目指す第一歩になるんじゃないかなと。

あ、そういえば今の開発チームでは全員で読んでないや。今度やってみようっと。