[読書] バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る

[読書] バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る

Category
Book
Published on
July 21, 2019

文喫でみかけて、読みやすそうだったのでちょっと立ち読みして購入。

ビジネスモデル・ジェネレーションの続編。前作がビジネスモデル・キャンバスをつかって、事業や製品を取り巻く環境面の仮説検証サイクルを回す実践方法について語っていたのに対して、本書はサービスや製品そのもの仮説検証サイクルに焦点をあてている。

ざっくりだが、以下のようなことが、視覚的にわかりやすく、親しみやすいイラストとともに書かれていた。

「顧客が欲しがる製品やサービスを創る」ためには、まずは顧客を正しく理解する必要がある。

  • 顧客が達成したいジョブはなにか
  • それを達成するにあたっての障害は何か
  • それを達成するにあたって望む結果や恩恵は何か

加えて自分たちの製品やサービス(もしくはアイデア)が、提供する価値についても正しく理解する必要がある。

  • どういった機能や価値を提供するのか
  • それによって取り除くことができる顧客の障害は何か
  • それによって生み出すことができる顧客が望む結果や恩恵は何か

それぞれ項目について思いつくものをすべてリストアップする。あがったものすべてを扱うのではなく、優先度の高いもの数件にフォーカスする。正しく理解した顧客の姿と、自分たちが提供する製品・サービスの価値がフィットしているかどうかを、Problem Solution Fit / Product Market Fit / Business Model Fit の 3つのレイヤーで検証していく。

すべて、一度洗い出して検証すれば終わりという話ではなくて、不確実な要素・検証すべき仮設をリストアップし、重要な仮設から順番に検証しながら、結果から学び、必要であれば顧客や製品に対する理解、もしくはビジネスモデルを変更・調整していく。

自分は、プロダクトによって新しい価値を顧客に提供し、それに対する対価を得て、継続的に価値を高めていくサイクルを繰り返しながら、結果として世の中を良い方向に変えていくような仕事をしていると考えている

今自分がいる環境では、本書に書かれているようなワークショップだったり、割と体系だったプロセスを使うことが少ない。手段が目的になりにくいようにする / 自分たちに合った最適なやり方をみつけ、最高の結果が出せるようにする、あたりが意図。それの方法論やプロセスから本質的な価値や武器を部分的にだけを借用しつつ、カオスの中で価値創造を楽しみながら、思いもよらない素晴らしいものを生み出されることを期待しているのだと思う。

とはいえ、自分の引き出しの中にそういう本質的な武器が少ない状態だと、カオスな議論についていけなかったり、そこで繰り広げられる議論が空中戦で終わってしまったりすることも多々ある感覚がある。ついていけるときは良いけど、ついていけないときは取り残された感じがしてすごく悔しい。そう感じることがたまにある。型がなければ型なし。型があるから、それを崩して独自に進化させることができる。

そういった議論の中で「ちょっと自分のパフォーマンスがうまく出せてないな」と感じたら、一度基本に戻って、誰かが提唱するプロセスに沿って仕事で実践してみるのもいいのかもしれない。幸い本書は戦略や理論に終始するようなビジネス書ではなく、「まずは実践しよう」「手を動かそう」「足を動かそう」というスタンスで書かれているので、具体的な Next Action を導き出しながら、次へ次へと進んでいきやすいと思う。

本書のビジネスモデルとして、読者にオンラインのトレーニングコースに無料登録してもらい、そこから一定割合の読者に有料会員になってもらうことが期待されているみたい。(本書の価値やビジネスモデル自体を、本書で提唱しているプロセス・考え方でドッグフーディングする構造がすごく面白いと感じた)

あまり本質的ではないが、個人的には本書に記載されているイラストがかわいくて、読書のひとつのモチベーションになったので、オンラインのコースも試しに受講してみようと思う。

余談だが、巻末に以下の書籍が紹介されていた。姉妹本。

個人の「ビジネスモデル」を想像するコーチングブックらしい。これは今の自分にぶっ刺さりなので、買ってきて次に読んでみようと思う。自分の今後のキャリアを考える上でのヒントになれば。