組織作りは目的なのか、手段なのか、みたいな話。
自分の仕事上の過去の経験、特に印象に残ったエピソードについてお話した時に、「kadoppeさんは組織を作ったり設計したりするのがやりたいことなの」という質問をいただくことがある。強く印象に残っているのは、組織やチームが一丸となって、大きな目標を達成したエピソードが多いし、組織に関する仕事をメインでやってた時期もあるから。
でも、自分としては特に組織作りがやりたいわけではない。
会社として、事業として、プロダクトとして、何か大きな目標を達成したいとなった時に、誰か一人の力だけではどうにもならないことがある。複数の人の思考と視点とスキルと経験と行動量を、大きな力に束ねて一つの方向に進むことで、ようやく達成できるような目標。
自分の中では、組織作りをそういう大きな目標を達成するための手段の一つとしか捉えてない。達成したい目標がないのに、チームや組織を作ろうとは思わない。また、今自分が本当に達成したい目標が、一人でも達成できるものであれば、チームや組織を作ろうとせず、喜んで一人で課題解決に取り組むと思う。
いろんな人の考えを伺っていると、目的を達成するための組織を作るのか、組織を作ること自体を目的にするのか、人によって考え方がさまざまであることがわかった。
いろんな考え方があっていいと思うし、正解も不正解もない。ただ、現時点の自分は組織を作ること自体を目的にすることは絶対になく、先に目的がない状況で「さあ素晴らしい組織を作ろう」とはならない。
だから、冒頭の「組織を作ったり設計したりするのがやりたいことなんですね?」という質問に対しては明確に「違います」と答えるようにした。
好きか嫌いかでいうと「好き」だし、経験も積ませていただいたので、できるかできないかでいうと「できる」。でも、それが「やりたい」ことかというとそれは違う。
どんな組織にしようかとか、組織課題をどう解決しようかとか議論をするのも楽しいことではあるし、重要なことでおろそかにしてはいけない。ただ自分は、事業やプロダクト、技術の議論を先にしたいし、たくさんしたい。その後に、もし必要であれば組織の話ができたらいい。