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仕事で自分が作ったものに意見をもらうときに気をつけていること

Posted on:2024年9月17日

仕事で何かを書いたり作ったりした時に、意見のもらい方として気をつけていることについて書く。意見のやりとりの時間をできるだけ有意義なものにするために。

意見を求める時には、できるだけ同時に「主に意見をもらいたいポイント」を整理してから、相手に伝えるようにしてる。

書いた文章やコードをレビューしてもらう時もそう。

仕事で文章やコードを書くときは、達成したい何らかの目的があるはず。その目的を達成するために必要な最終系のイメージがあって、それを完成させるために手を動かし始める。

完成に近づいてくると、少しずつ進みが遅くなったり、品質が頭打ちになったり、完成までにあと何が足りないのかわからなくなったり、本当にこの方向性でいいのか不安になってくる。

自分の頭の中で発生したそれらの問題を解決するために、それまでの途中成果物に対して誰かに意見を求めたり、レビューをしてもらったりする。意識してなくても、暗黙的にこういうことが、自分が作ったものに対して意見をもらう前後で起きているはず。

でも、誰かに意見を求める時のやりとりのなかで、「自分が何のために意見を求めようとしているのか」という情報を相手に伝えようとしていなかったり、抜け落ちてしまったりしている様子をみることがしょっちゅうある。自分も気を抜いたり、余裕がない時だとついやってしまう。

そうなると、意見を求められた人は困ることがある。「あれ、この人はなんで意見を求めてるんだろう?」「どういうところが不安なのかな?わからないのかな?」「どの部分に焦点を当てて見ればいいのかな?」といった疑問が頭の中にどんどん湧いてくる。

面と向かって会話している場合は、こういう疑問が湧いたら相手にその場で聞きかえせばいい。でも、こういった疑問を解消する前に、思いついたことから意見をドバドバっと返してしまうと、「そこに意見をもらいたかったわけではない」ところに議論が集中してしまい、収集がつかなくなったり、時間を無駄にしてしまったりする。

チャットやGitHubのPull Requestなど、いわゆる非同期で会話をする場合だと、より問題が深刻になる。意見を求められた人は、湧いた疑問を解消するために聞き返しても、すぐに答えが帰ってくるかはわからない。答えが返ってくる前に、なんとか意見を出そうとして「ここが不安なのかな??」「ここに特に意見を求められているのかな?」「ここが分かってないからアドバイス欲しいのかな?」のような推理ゲームが、答えを持っている人がすぐ近くにいたのに発生してしまう、よくわからない状況が起きたりする。

どちらも、そもそもの目的達成のための最善の方法ではないし、すごくもったいない。

「主に意見をもらいたいポイント」が自明な場合もある。あえて「ポイント」を示さずにブレインストーミング的に多様な意見を集めたい場合もある。でも、それらはどちらかというとイレギュラーな状況。

基本的には意見を求める人が、意見を求める相手に「主に意見をもらいたいポイント」を整理して伝えることが、それぞれの貴重な時間を無駄にせず、本質的で有意義な議論や意見交換を進めるために必要なことだと思ってる。

誰かに意見を求める前に、「主に意見をもらいたいポイント」やなぜそれがポイントなのかがわかる背景をできるだけ整理しよう。それを一番知っているのは、意見を求めようとしている自分自身なんだから。

自分もそれらを整理する前に「一旦今の状態をラフに見てもらおう」というノリでコードレビューを依頼してしまうことがある。でも、そういうときはほとんどの場合、自分の頭の中で考える余地がまだあるのに考えきれてない。「主に意見をもらいたいポイント」を相手に伝わる形で整理できないときは、自分の思考不足を疑った方がいいサインなんだろうな。