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読書 - 東川スタイル―人口8000人のまちが共創する未来の価値基準

Posted on:2019年7月14日

[読書]東川スタイル―人口 8000 人のまちが共創する未来の価値基準

北海道の東川町に出張する機会があり、現地の図書館で販売されていたので購入。

東川スタイル-人口 8000 人のまちが共創する未来の価値基準

人口減少時代に人口が増加傾向にある「東川町」という地域のなかで、住民のみなさんが大切にしているものや価値観を、生活や仕事の中で実際に体現されている様子について紹介している本。

仕事(ビジネス)をスケールさせるのではなく、価値観を維持し、磨き上げていくことを大切にする、現地の人の生き方・考え方に触れることができる。昔から東川町に住んでいた人も、途中から移住してきた人も関係なく、自分たちの価値観を体現することに価値をおく様々な人々の集大成が、東川町の「東川らしさ」「東川スタイル」と呼ばれるような、ユニークな環境を生み出しているんだなと、非常に勉強になった。

同時に、そういう生き方(=仕事をスケールさせることではなく、自らの価値観を体現することを重要視する)もあってもいいんだということに、気づくことができたのが自分にとっての収穫。

今後の人生をどう過ごしていこうか、どうすればより豊かな人生を過ごすことができるか。最近考えようとしているけど、なかなかうまい答えが見つからない。その点で、自分にとって良い刺激とヒントになった本だった。

他にも、東川町役場が掲げる「3つの”ない”はない」(予算がない、前例がない、他でやってない、を言ってはいけない)という標語が、チャレンジを生み出す文化を役場の中に生み出した話や、東川町に写真文化を根付かせるのに 20–30 年かかった話など、地域や組織に分化を生み出す・根付かせる事に関するテーマがいくつか紹介されている。

標語を掲げたからと言って、一朝一夕で地域や組織に分化が根付くことはないだろう。文化づくりって、ものにもよるだろうけど、数年、もしかしたら 10 年以上かかるものだと思う。何かしらアウトプットや価値を生み出すまでに、根気よく自分たちが大事だ・価値があると思う行動を取り続けた結果なんだろう。

自分は 35 年間生きてきて、自分の中にも文化のようなものが根付いていると考えている。良いものも悪いものも含めて。これから 35 年間生きるとして、次はどんな文化を自分の中につくっていけばいいのかな、と、ものすごく抽象的なことが頭の中によぎった。考えよう。

おしまい。