NewsPicks の特集記事。
『kadoppe は「プロジェクトやプロダクトの価値を最大化させる」ための経験や知識を増やした方がいいよね』というアドバイスを、以前とある人にもらった。
その会話の中で「濱口秀司さん」というキーワードが出てきたので、少し探して目についたこの記事を読んでみることにした。
記事の内容は置いといて、読んで得られた気づきや学びをメモ。「プロジェクトやプロダクトの価値を最大化させるか」という観点で得られた気づきは主に以下の2点。
- スコープの縮小にあらがうこと
- 全員が難しい問題に取り組んでいる状況を作ること
スコープの縮小にあらがうこと
最初は壮大な夢や目標を掲げていた人でも、時間が経つにつれて、次第に目の前の問題をこなすことで精一杯になってしまう。
「世界を変える」と言葉にして目指していたのに、気がついたら「プロジェクトの納期を守る」ことに目標がすり替わってしまっている。みたいな。
こういった、最初に持っていた長期的な視点が、時間が経つにつれて短期的な視点に変わっていってしまうことを、記事中では「スコープの縮小」と表現している。
何も考えず、何もせずに放っておいたら、スコープの縮小は避けられない。
どんどん視野が狭くなり、視点が低くなる。目指していたものが何だったのか忘れる。意思決定に軸がなくなる。プロダクトやチームが迷走する。手段が目的化する。思ってたものとは違うものが完成する。
記事中では、スコープの縮小にあらがう方法として、スコープを拡大することを日々習慣として行なっていることに結びつけるやり方紹介されていた。
毎日ジョギングするのなら、ジョギングするときだけはせめて、「自分が社長だったら今のこの状況をどう捉えるか、その上でどう考えて、どう行動するか」という感覚で思考を巡らせてみる。ジョギングが終われば、元の自分に戻る。そういうやり方。
最近自分の中でスコープが縮小していることを実感する場面がある。スコープの縮小によって、緩やかに周りが見えなくなり、緩やかに間違いを繰り返しながら、突然何かが崩壊したりするんだろうなぁと考えるとすごく怖くなる。そして毎日、スコープが縮小していることが関係する間違いを犯している気がする。
もちろん目の前の問題やタスクに取り組むことは必要。頑張ることも大事。とはいえ、誰も物事を俯瞰的に捉えられていない状況で、目の前の問題やタスクに取り組み続けても、何も価値を生み出さないかもしれないし、むしろやらないほうがマシだった、みたいなこともあるかもしれない。
日常的に自分たちのスコープが縮小していないかを確認できる時間を作ろう。物事を俯瞰的に見ることで、自分たちが今どこにいるのか、どの方向に向かっているのかを知った上で、自分たちの行動を見つめ直し、理想とのギャップがあればそれを正そう。
言うのは簡単だけど、実行するのは難しいことなのかもしれない。でも、「もし自分が社長だったら・・」と考えた結果が正しくても間違っていても別に問題ないと思う。何らかの方法で考えた結果が検証できて、それを次の行動や思考にフィードバックできればそれで問題ない。
早起きして、スコープを拡大するための時間を毎日作ろう。会社のこと、事業のこと、プロダクトのこと、未来のこと。とにかく、目の前の問題以外のことを考えるまとまった時間を作ろう。
全員が難しい問題に取り組んでいる状況を作ること
濱口秀司さんは「誰でもできる仕事(=自分が関わらなくてもうまく行く仕事)は受けない」というポリシーで仕事を受けるかどうかを判断しているらしい(基準がそれだけかどうかはわからないけど)。
そうすることで、難しい問題や誰もが絶対に解けない問題に対して、何度も何度も実践レベル(=コンセプトだけではなくアウトプットにする)で取り組むことができ、その経験を元に問題を解決するための方法論が積み上がっていき、最終的には「誰にも負けない」ような状況や自信ができあがったらしい。
普段仕事をしていると、「あれ、これ誰でもできる?」と思うようなタスクと向き合う機会がちょこちょこある。とはいえ、「誰かはそれをやる必要がある」と思って、あまりよく考えずに自分でやっちゃうことが多い。
でも、本当は考えるべきことがたくさんあるはず。スコープが縮小している。スコープを拡大して考える必要がある。
- もし、それを自分がしなければ何が起きるか?何かいいこと、よくないことが起きるか。
- もし、チームがそれをしなければ何が起きるか?何かいいこと、よくないことが起きるか。
- 自分にとっては難しくない仕事でも、他の誰かにとっては難しい仕事にならないか。だとすれば、その人にお願いした方が、チームとしての学びの総量的に大きくならないか。
普段仕事をしていても、最近「自分に解けるかどうかわからない難しい問題」にチャレンジしていることが少ない気がする。自分の過去の経験の延長、やったことあること、できること、そんな類の仕事にチャレンジしていることが多いように思う。
大抵の人はそうだと思うけど、大抵の人と同じようにしていたら、他の人との差分にはならない。チームは人でできている。プロダクトはチームが作っている。だとすると、他のプロダクトとの差分を生み出すことについても、個人として足を引っ張っていることになりかねない。
自分にとって難しい仕事しか極力しないようにしよう。自分にとって難しくない仕事は、それを難しいと感じる他の人にお願いできないか考えてみよう。もちろんプロダクトやチームの優先順位とのバランスは考える必要があるので、全部が全部そうできるかはわからないけど、「この仕事を誰がやるべき」かという判断や意思決定はめんどくらがらずに毎回行うようにしよう。
自分もふくめて全員が「自分にとって難しい仕事をしているチーム」を作ることができれば、それはスケジュールや納期のような比較的スコープの小さい問題に取り組むチームではなく、常にプロダクトの価値を最大化させるような、目標に向かってすごい推進力で進んでいけるような、スコープの大きい問題に取り組めるチームになるんではないかと思う。
おわりに
最近自分が悩んだり感じたりしている自分自信の問題にすごくリンクした特集記事だった。内容的にはそんなに長くないのに、いくつかの気づきを得ることができた。
このブログエントリーにはコンセプトしか書いてないし、まだ具体的なアクションを起こせている訳ではないけど、5 月の個人的な目標は「実行力と判断力とスピードの成長」なので、そこに今日得られた気づきを具体的なアクション、成果という形で結びつけていきたい。
雑文終わり。