PLAID Advent Calendar 2019 の 19 日目の記事です。
こんにちは。kadoppe です。株式会社プレイドで Software Engineer をしています。
今日は、ぼくが、ぼく個人のパフォーマンス(生産性)をあげるためにやっているいくつかの工夫の中から、掲題の件に関するトピックについてピックアップして紹介してみようと思います。
では、はじめます。
結論
背景が長いので出オチになります。
記事タイトルにもある 「爆速で頭の中のアイデアを文章化する」 ために、ぼくが何をしたかというと、「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」(以降、ホットアイマスク)を装着してをつけ、目隠しをした状態で文章(下書き)を書きました。
イメージ写真(同僚にオフィスでぼくを撮ってもらいました。実際は家で一人でやってます)
本記事自体、このやり方で下書きを書いています。できた下書きを抜粋したスクリーンショットを以下にはっておきます。。この下書きを清書 → 推敲し、最終的に本記事のアウトプットになっています。(下書きの全文は本記事の文末に付録として添付します。
記事と下書きを比較するとあまり原型ないですね。
実際にやってみた上での感想として、あくまで主観的な意見ですが、一定の効果はあると感じました。
以降は、どうやって上述の方法にたどり着いたのかについて、背景から説明していこうと思います。
背景
ぼく個人のパフォーマンス(生産性)に関して、課題や伸びしろはたくさんがあることは認識しているのですが、ひとつ大きなものを上げるとすると、目の前のタスクに長い時間、深く集中するのがなかなかできないということがあります。
ぼくが仕事で責任を持ちたい/注力したい範囲の関係上、色んな情報を自分から取りに行ったり、共有をしてもらったりすることが多いです。そのため、頭の中に色々なものがごちゃごちゃとたまりがちです。
また、ぼくはものごとを「忘れる」たり「切り替える」ことが比較的苦手なタイプです。そのため、目の前のことに集中したいときでも、ふと、色々なものが頭の中をよぎることが多くあり、その度に短時間で集中が途切れてしまいます。
気づかないうちに、自分の大事な集中力や頭のリソースが、色々なものに消費されてしまっているようなイメージです。そのために目の前にあるやるべきこと集中できない、最大限のクオリティのために頭をフルにつかえないことのだとしたら、非常にもどかしさを感じますし、なんとかしたいと思います。
そういった色々なもの全てを頭の中から追い出し、頭の中が空っぽになった状態で、目の前のタスクにとりくむ状況を意図的に生み出したい。そうすれば、今よりも長い時間、深く集中できるようになるのでないか。結果として、ぼく個人のパフォーマンスを今よりも上げていけるのではないかと考えました。
アプローチ
ヒントは世の中にすでに存在していました。
「ジャーナリング」や「ノンストップライティング」と呼ばれている方法を使うと、雑多なものを頭の中から外に追い出す助けになることがわかりました。(他にもいろんな効果があると言われていますが、本題とずれるので割愛します。参考記事を参照ください。)
これらの厳密な定義とはズレているかもしれないですが、色々参考にしてぼくがやっているやり方は以下です。
- ノートパソコンでテキストエディタを起動する
- タイマーを 15 分にセットしスタートする
- 頭の中に思い浮かんだことを、文字としてただひたすらキーボードでタイピングしつづける
- 15 分たったらタイピングをやめ、15 分間でタイピングした内容を一度読み返す
- 気になることがあったら自分のタスクリストに書き足して、タイピングした内容は削除する
これらをやる上で重要なポイントは以下です。
- タイピングをする指は途中で絶対に止めない。何も思いつかないなら、例えば「何も思いつかない」とタイピングしつづける
- 思い浮かんだものに対してなにも判断しない。仕事のことだろうがプライベートのことだろうが全部書く。
- タイピングミスは気にしない。間違えても修正しない。頭の中に思い浮かんだもの止めどなくタイピングし続けることを大事にする。
朝目が覚めてから、時間的に余裕があるとき日は、これをやってからオフィスに向かうようにしています。毎日やることにこだわりはなく、「できる日だけやる」ような気楽な気持ちでやっています。
すると、不思議なことに、日を追うごとに、目の前のタスクに以前よりも長い時間・深く集中できることが増えたような気がしてきます。目の前のタスクに取り組んでいる最中に、頭の中にたまっていた雑多なもの存在を感じることが、以前と比べて減ったように感じます。
他にも課題を解決する手段はあるとおもいますが「これはこれでいい」と判断したので、一旦習慣として続けていくことにしました。
発生した課題
日々、この習慣を続けていく中で、ひとつだけ課題がありました。
それは「タイピングミスは気にしない」を徹底することが、ぼくにとって非常に難しいことです。おそらく、ぼくのタイピングミスの発生頻度は他の人と比較して高いと思われます。年々精度が悪くなってるようにも感じています。
頭の中に思い浮かんだものを外に出している最中に、自分のタイピングミスが気になります。ついつい間違えて入力した文字を、一度消して、もう一度入力しようとしてしまいます。
その度に、頭の中に思い浮かんだものを外に出す流れが止まってしまうのです。一度止まってしまうと、またその流れを呼び起こすのには少し時間やパワーが必要です。結果として、頭の中のものを出しきれずに時間切れを迎えてしまっているのではないか、と不安を感じるようになりました。
ぼく自信は、こういう行為には 100 点満点という結果は存在せず、上には上が(より良い結果が)存在するものだと考えます。ぼくがもっと良いパフォーマンスを出すために、何か新しい打ち手がないかを探し始めました。
解決策
解決策は家の中にすでに存在していました。
最近、疲れ目がきになるので、毎晩、ホットアイマスクを装着してから眠りにつくようにしています。(すごく助かって、愛用しています。使い捨てタイプで約 20 分間温かい効果が持続します。マジおすすめです。使い捨てじゃないタイプの商品も市場には出回っている模様です。)
ある日、家においてあるホットアイマスクをふと目にしたときに、「ホットアイマスクしてればタイピングミスが気にならないんじゃないか」と思いつきました。
その日から、頭の中に思い浮かんだものをタイピングする作業を開始する前に、ホットアイマスクをつけるようにやり方を変えてみました。
評価
あくまで個人の感想です。
- 当然だがタイピングミスが気にならなくなる。頭の中に思い浮かんだものを外に出す流れがとまらない。とてもスムーズになった。
- 当然だがタイピングした結果の文章はむちゃくちゃになる。(冒頭のスクリーンショット参照)でも、タイピングが終わったあとに自分で読み返す過程においては、特に支障はない。普通に読める。
- タイピングミス以外の視覚的な変化にも反応しなくなったので、頭の中に思い浮かんだものを外に出す行為自体に集中力が増した。
- (副次的な効果)目の周りが温かいとリラックスできる。結果的にアウトプットの量も増えたり、ポジティブなことが思い浮かびやすくなった気がする。
- (副次的な効果)「ラベンダーの香り」などリラックするための匂いが発生するタイプのホットアイマスクも販売されている。自分の気に入った匂いのタイプのものを装着したときは、リラックスできる。(以下略)
- 当然だがホットアイマスクの消費量が以前よりも増えたため。購買頻度が上がった。
応用
今年の Advent Calendar では、ぼくが今注力して取り組んでいることや工夫していることをベースに記事が書けるといいな、と漠然と考えてはいました。でも、最近ブログ記事を書いておらず、手を動かし始めるハードルが非常に高かった(腰が重たかった)です。腰の重さを解決するアイデアが必要でした。
そんなとき、ふと、ぼくが最近「パフォーマンスをあげるために、温かくなるホットアイマスクをつけた状態で、頭の中に思い浮かんだものを 15 分間ひたすらタイピングし続けてから、オフィスに向かっている」ことを思い出しました。そこから「同じ方法で Advent Calendar の記事を書くことで、頭の中のアイデアを爆速で文章化できるのではないか。」というアイデアが生まれました。
ここでの爆速とは「流れを止めることなく、スピーディに、スループット高い状態で」みたいな状態をイメージしています。
厳密には以下の問題があるため、この方法でアウトプットできるのは下書きまでです。清書や再構成、推敲は必要になります。
- タイピングミスだらけの文章は、ぼく以外のひとにとっては読みづらい
- 頭の中にあるアイデアそのままの形が、記事の体裁として適切かどうかはわからない(きっと違う)
それでも、記事を書く工程全体のリードタイムは短縮できるのではないかと考えたので、さっそく、ホットアイマスクを付けた状態でアイデアを文章化することにトライしてみました。
考察
私の個人的な感想です。
- タイピング前にアイデアに対して何らかの判断(躊躇など)をしてしまうことが多い。しかし、何も工夫をしない場合と比較して、判断する頻度は直感的に減っているので、文章としてアウトプットするコストは小さくなり、スピードは上がったと考えられる。
- タイピングミスの修正以外の文章の再構成や推敲(追記や削除含む)は必要。下書きはあまりにも起承転結に欠けていたり、ロジカルではない
- 仮に「頭の中のアイデアを外に文章としてアウトプットするコスト > 出した文章を推敲するコスト」だとすると、前者のコストを下げることで全体のリードダイムの短縮につながるが、今回の記事のケースではソレに該当したと考える。(最終的な文章に求められるクオリティ等によっては結果は変わってくる可能性がある)
- 目隠しをしているはずなのに、タイピングミスをしたことに気づくことがある。目隠しをした状態で、入力した文字を消してから入力し直したケースが何度か発生した。
- ホットアイマスクは暖かさの持続時間が約 20 分。それが締め切りとして有効に作用する可能性がある。(この記事の下書きを書き終わるのには約 30 分ほどかかったから意味ない可能性もある。)
まとめと今後の展望
長くなってきたので、まとめます。
- ぼく個人のパフォーマンスをあげるために、目の前のタスクに取り組むときの集中の長さ・深さを改善したい目的がある
- 頭の中に雑多なものがたくさん存在していて、それが任意のタイミングに割り込んでくることを課題として設定
- ジャーナリングやノンストップライティングを参考に、頭の中に浮かんだものを、朝 15 分間タイピングして頭の外に出す習慣をつくった
- タイピングミスが気になることで上記習慣の効果が妨げられるので、ホットアイマスクをつかって目隠しをした状態でタイピングする仕組みを導入した。
- 上記仕組みを本 Advent Calendar の記事作成に応用した
- それぞれにおいて、ぼく個人の主観として一定の効果が感じられた
今後の展望は以下です。
- 自分自身そのものや自分の考え、感情を正しく認識する訓練の側面もあるので、朝の習慣は今後も続けていく
- 文章を書くときに今後も同じ方法を使っていくかどうかは、時と場合と場所次第かな
- 下書きをみればわかるが、相当タイピングミスをしているので、タイピング精度向上の打ちては別途考える。
以上になります。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
Appendix
かな入力/英数入力モードの切り替えについて
目隠しをしているため、今かな入力モードなのか、英数入力モードなのかがタイピング中にわかりません。あとから自分である程度読みやすい文章を書くためには、日本語をアルファベットでタイピングしつづけるような状況はできるだけ避けたいです。
普段、トグル方式(macOS だと Command + Space や Control + Space)で入力モード切り替えている方は、現状の入力モードが判別できないので、難しい問題が発生すると思います。
英数キー/かなキーを使って入力キーを切り替えるような方法に切りかえることで、現在の入力モードに依存せず、いつでも正確に入力モードを切り替えられるようになります。(そのキー操作をミスしたら元も子もないのですが)
macOS かつ英字配列のキーボードを使っている場合は、 Karabiner-Elements をつかって、左コマンドキーを単独でタイプした際は英数入力モードに、右コマンドキーを単独でタイプした際はかな入力モードに切り替わるように設定しておくと良いと思います。
目隠しをするかどうかに関わらず、後者の方法に慣れておくと、タイピング中に記憶する必要があることがひとつ減るのでおすすめです。
下書き原文ママ
https://paper.dropbox.com/published/—AqoQ1TBABAXBZn0lldVXmMW9Bg-LtmjFuTK8swQRx076tVs64w