意思決定に必要な強い意志は、自分の実体験から生まれる
今日、自分と@kantarockさんの二人でやっているポッドキャスト番組「人見知りプロダクト開発ラジオ」の第47回目の配信を収録した。
収録後にあらためて配信を聞き返してみて、これは大事な話だったなと思った。せっかくなので、自分のブログにもこの考えを言葉として残しておこうと思う。
素早く、リスクをとった意思決定には強い意志が必要
今回の配信のテーマは、プロダクト開発において迅速な意思決定に必要になる「強い意志の持ち方」について。
プロダクト開発では意思決定をする場面が多い。なぜ、誰のために、何を作るのか。逆に何を作らないか。そうした意思決定を、どうすれば素早くできるか。リスクを取ることを恐れずに、前に進むにはどうすればいいか。
当たり前だけど、意思決定をするには、決定をする人が「意志」を持つ必要がある。その上で、素早く、リスクをとった意思決定をするには「強い意志」が必要。
じゃあ、その強い意志をどうやったら持つことができるのか。
今日の収録中に二人で話していて、自分にとって大きな気づきだったのは、「強い意志は、自分の実体験から生まれる」ということ。
じゃあ、強い意志がない場合、どんなことが起きてしまうんだろう。
言っていることは正しいのに、前に進まないことがある
これまでプロダクト開発をしてきたキャリアの中で、議論の中で出てくる言葉は正しいはずなのに、なぜか意思決定が前に進まない場面に何度か出くわすことがあった。
会社のミッションや事業、プロダクトの方針とも整合性が取れていて、筋は通っている。ユーザーに届ける価値やそのあるべき姿についてもきちんと語れている。でも、その言葉がなかなか意思決定するところまで辿りつかない。
今日の収録で、この違和感について、「もしかして、その言葉にその人の実体験がしっかり乗っていなかったんじゃないか」という仮説を改めて持った。
自分ではない誰かが決めた考えや方向性に、自分の考えや発言を無理やり合わせようとして作った言葉には、なかなか力が宿らない。整ってはいるけれど、自分の実体験の上に立った言葉じゃないからだ。
そうなると、議論の中であと一歩踏み込めば意思決定にたどり着けるところまで来ているのに、そのあと一歩が踏み出せない。意志はあるけど、強い意志はないから。
自分が過去に目にしてきたいくつかの場面では、そんなことが起きていたんじゃないだろうか。
実体験がストーリーになり、意志になり、チームに伝播する
強い意志は、何もないところから生まれるものではないはず。
まず最初にあるのは、自分の実体験。自分はなぜここにいるのか。何に苦しんできたのか。何に違和感を持ってきたのか。なぜそれを課題だと思うのか。そうした実体験が、自分の中でストーリーになる。
そして、そのストーリーが言葉になる。言葉になったものが強い意志になる。さらに、その意志がチームに伝わっていく。
何かを意思決定して、事業やプロダクトを前に進めたい人には、大きさの違いはあれど何かしらの実体験があるはず。自分に実体験がない場合は、これから実体験を作りにいくこともできるし、実体験がある他の人に頼ることもできる。
それでも、目の前のことに集中しすぎたり、忙しくなりすぎたりすると、ついついその存在も手段も忘れてしまうことがある。
今回の収録を経て、僕自身も、「会社のメンバーとしてこう考えるべきだ」「こういうことを言うべきだ」「こういう行動をするべきだ」という感覚に、想像以上に引っ張られていたのかもしれないと気づけた。
それは一見すると整っているし、組織の一員としてちゃんとしているようにも見える。ただ、その感覚に引っ張られすぎると、「なぜ自分はここにいるのか」「なぜその課題を解きたいのか」といった、自分の実体験を少しずつ忘れていってしまう。
自分も、そして周りの人も、実体験を忘れないように、もし忘れていたら声をお互いにかけられるような、そういう環境やカルチャーを作ることができたらいいと思う。
おわりに
最後に例として、僕が今の会社にいる理由、やりたいことを簡単に書いてみる。
- マネジメントをしていて大変だった過去の自分を救いたい。
- そして、これからまたマネジメントにチャレンジする未来の自分も救いたい。
- そのために、今向き合っている事業、プロダクトを作っている。
ものすごく抽象的に書いたけど、これは僕の実体験から生まれた話で、自分の中で簡単にはブレないものだ。
少なくとも、まず自分はこの実体験を忘れないようにしたいし、これから向き合ういろんな意思決定に対して、ここから生まれた強い意志を持って臨みたい。
そうすることで、これまでよりもプロダクト開発を素早く、そして必要なリスクは取りながら、大きく前に進めるようになるんじゃないか。
自分のポッドキャストを聞き返しながら、プロダクトエンジニアとしてそうやって進んでいきたいと、改めて思った。
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